2025年7月27日(日)に行われるGⅢ・関屋記念。サマーマイルシリーズの第1戦が米子Sとなった2020年以降、その第3戦として行われてきた関屋記念。今年は中京記念と開催順が入れ替わって、新潟の開幕週に第2戦として開催されます。また、米子SがしらさぎSに名称を変えGⅢに昇格したことで、出走馬のローテーションに変化がありそうな点も考慮したいところです。昨年は前走米子Sを逃げて勝ったトゥードジボンが逃げ切って優勝。3番人気で重賞初制覇を飾りました。全面野芝の高速馬場でスピードの持続力と末脚の切れ味が問われるサマーマイルシリーズ第2戦を過去10年の結果から好走馬の共通点を探っていきます。
前回の結果
先々週の七夕賞は本命のドゥラドーレスが2着、対抗評価した穴馬のダンテスヴューが12着という結果に終わりました。ダンテスヴューに関しては一発狙いの対抗評価だったので12着という結果は仕方ないです。それよりも本命評価したドゥラドーレスが中団から上り最速の末脚で迫ったもののアタマ差2着に敗れたことが非常に悔しい結果となりました。決して内前が有利な馬場展開ではなかった中、逃げきったコスモフリーゲンと柴田大知騎手が素晴らしかったです。復活とも言える3着に好走のオニャンコポンに関しては特に買える材料も見つけられなかったので、切り替えて今週は関屋記念の的中に向けて予想してきたいと思います。
本命馬
15 イミグラントソング
この馬の母エルノルテは芝短距離で3勝を挙げたスピード型の馬です。6頭の産駒のうち、第1子から第3子は未勝利に終わりましたが、第4子である本馬は好成績を残しています。
2歳9月の中山芝1600mでデビューし、好スタートからインを立ち回って4着。新馬戦としては上々の内容でした。次走の未勝利戦では番手から抜け出し、上がり最速で初勝利。続くひいらぎ賞でも2着に好走し、1分32秒5という優秀なタイムを記録しました。
3歳初戦の1勝クラスでは上がり最速を使うも3着。スローからの瞬発力勝負がやや不向きでした。重賞初挑戦となったニュージーランドTでは、外々を回るロスの多い競馬ながらも鋭く伸びて快勝。能力の高さを証明しました。
前走のGⅠ・NHKマイルカップは差し有利の展開のなか、先行する厳しい立場となり11着に敗れましたが、内容から評価を下げる必要はありません。過去10年で前走がNHKマイルカップだった馬は【1・0・2・3】と好走傾向にあり、データ的にも度外視可能です。
この馬は加速に時間がかかるタイプで、広く直線の長い新潟コースは合う可能性が高いです。古馬混合戦ではありますが、今回のGⅢメンバーはやや低調であり、能力的には十分通用しそうです。ただし、開幕週の高速馬場はやや不向きと見られ、馬場が渋ればさらに評価を上げたい一頭です。
また、重賞制覇時に手綱を取った石川騎手に乗り替わる点も好材料で、巻き返しに期待が持てます。
特注データ
買いデータ
① 7~8枠かつ前走も芝1600mに出走
過去10年で「今回7~8枠」かつ「前走も芝1600mに出走していた馬」の成績が【6・5・2・17】と、好成績を収めています。この好成績の背景には、まず外回り新潟芝1600mという舞台が、直線の長さやコース形態から外枠でも不利にならず、むしろスムーズに脚を伸ばせるという利点があることが挙げられます。そのうえで、前走から芝1600mを使われている馬は距離適性が高く、レースの流れに対応しやすいのが特徴です。
さらに、「今回5番人気以内」「前走8番人気以内」という条件を加えると、成績は【6・1・0・0】と、7頭全てが2着以内、勝率も非常に高い結果となっています。
また「今回6~9番人気」の馬でも【0・4・2・2】と、勝ちこそないものの連対率・複勝率ともに高く、穴馬として非常に優秀な成績を残しています。
関屋記念ではこうした条件に合致する馬がいれば、人気馬・中穴ゾーンの馬どちらも積極的に狙うのが効果的だと言えます。馬券の妙味を出すためにも、ぜひ注目しておきたい条件です。
※今年の該当馬は イミグラントソング、アルセナール、ダイシンヤマト の3頭です。
② 単勝15倍未満かつ前走が「しらさぎS」
過去10年で、「単勝15倍未満」かつ「前走がしらさぎステークス(旧米子ステークス)」だった馬の成績が【2・1・1・1】と、非常に高い好走率を示しています。実に5頭中4頭が馬券に絡んでおり、注目すべき傾向と言えます。
この背景にはいくつかの理由が考えられます。
まず、しらさぎステークス(旧米子ステークス)は阪神芝1600mで行われるGⅢ(昨年まではリステッド)で、関屋記念と同じ「芝外回りのマイル戦」です。そこで好走した馬は距離適性やレースの流れに対応できることが証明されており、同じマイル戦に臨む関屋記念でも力を発揮しやすいのです。
また、連続でサマーマイルシリーズを使ってくるということは、それだけ陣営にとって本気度が高いことが伺えます。このように、「距離適性の高さ」「評価の裏付け」がそろうことで、安定した好走に繋がっていると考えられます。関屋記念では、この条件に該当する馬を軸の候補にする価値が高いと言えるでしょう。
ただ、関屋記念は今年から開催が2週前倒しになったので、レース間隔が詰まったことで傾向に変化が生まれる可能性もあります。今後はしらさぎステークス→中京記念のローテーションを選ぶ陣営が増える事も予想されるので、動向に注意が必要です。
※今年の該当馬は想定オッズの段階では シヴァース、ダイシンヤマト の2頭です。
③ 逃げ馬
過去10年で、逃げ馬の成績は【3・2・1・4】と、実に半数が馬券に絡み、勝率も高い優秀な成績を残しています。この傾向からは、関屋記念というレースが「逃げ馬にとって有利な舞台」であることがうかがえます。
その理由のひとつは、新潟芝1600m外回りコースの特性です。直線が長いコースではありますが、序盤は緩いペースになりやすく、マイル戦でもスローペースからの瞬発力勝負になることが少なくありません。そうした展開では、楽に先手を取れた逃げ馬がマイペースで走り、後続の脚を封じ込めるケースが目立ちます。
さらに「前走が平地競走で7番人気以内」という条件に限定すると、【3・2・1・0】となり、全頭が馬券圏内に入るという結果を残しています。
逃げ馬は展開や馬場のアシストが必要な反面、力が足りないと粘り切れないことが多いのですが、この条件に該当する馬は能力・調子・展開がすべて揃いやすく、安定して結果を出しているのでしょう。
このように、「舞台適性」「近走の調子・人気」がそろったパターンが、この好成績につながっていると考えられます。関屋記念で逃げる可能性があり、かつ近走人気していた馬は、穴でも積極的に狙いたい存在です。
※ハナを狙いそうなのは良い枠に入った シンフォーエバー の想定ですが、前走がダートですし、現状では能力が足りていないように思えるので評価をあげることはできないという見解です。
穴データ
6~8番人気かつ馬番12~18番
過去10年で、「今回6~8番人気」かつ「馬番12~18番」という条件に該当する馬の成績は【0・5・1・4】と、勝ち馬こそ出ていませんが半数以上が馬券に絡み、特に2着に入るケースが多い傾向が見られます。
この好成績の理由としては、まず新潟芝1600m外回りコースの特徴が挙げられます。直線が長く、外差しが決まりやすいコース形態であるため、外寄りの枠に入った馬がスムーズに進路を確保して末脚を伸ばしやすいのです。特に夏場の馬場は内が荒れ気味になる傾向があり、馬場のいい外目を選べる外枠の優位性が出やすいと言えます。
さらに、6~8番人気というのは、能力的に上位と大差なく、過剰人気もしていない絶妙な人気帯です。過小評価されているわけではないので力不足ではなく、過大評価もされていないために馬券妙味がある、いわば「狙いどころ」のゾーンと言えるでしょう。
このように「外枠のコース利」「馬場の恩恵」、そして「人気と実力のバランスが取れた中穴馬」という条件が重なり、連対・複勝が多い傾向につながっていると考えられます。関屋記念ではこのパターンの馬を穴候補として積極的に馬券に組み込むのがおすすめです。
※今年の該当馬は想定オッズの段階では アルセナール、ダイシンヤマト の2頭です。
2頭の激走に期待します。
まとめ
本命は過去10年で連対率100%の強力データに該当したイミグラントソング 。対抗には前走しらさぎステークス組から シヴァース を選択します。シヴァースはそのしらさぎステークスで10着に敗れましたが、終始折り合いを欠いて体力を消耗。全く競馬にならない内容でした。3歳時には重賞で3着に好走した経験もある素質馬。乗り替りとなる今回はベテラン内田騎手の手腕に期待します。穴馬では好走率の高い外枠に入った アルセナール、ダイシンヤマト の2頭を評価します。
推奨馬券
単勝 15
枠連 7 ー 4,8
以上になります。
関屋記念の予想の参考にしてみてください!
