2024年4月21日(日)に東京競馬場で行われるGⅡフローラステークス。2着までにオークスの優先出走権を与えられるトライアル競争となっていますが、ここを勝って次走オークスも優勝した馬は、レース名がフローラステークスに変更後はサンテミリオンのみ。それよりもエリザベス女王杯の勝ち馬モズカッチャンや香港ヴァーズの勝ち馬ウインマリリンなどを輩出しているように、直接オークスを優勝するというより、後のGⅠで活躍する馬の方が多い印象のレース。1番人気の馬が過去10年で連対したのが3回のみと苦戦傾向。そんな波乱含みのトライアル競争を過去10年の有力なデータを駆使して考察していきます。
先週の結果
先週の大阪杯は本命に推したジャスティンミラノが見事1着に激走してくれました。関係者の方々のそれぞれの姿を見て想像すると、こみ上げてくるものがあり素晴らしいレースだったと思います。個人的には戸崎騎手がダービージョッキーになれるのか?ジャンタルマンタルは今後どこを目指すのか?シンエンペラーは凱旋門賞に挑戦できるのか?この辺りが気になる所です。
何より今後も人馬共にレースを無事に終える事ができるよう願うばかりです。
それではここからフローラステークスの予想を始めていきます。
注目馬
アドマイヤベル 牝3 騎手:横山武史 斤量:55キロ
半姉に2017年のヴィクトリアMを勝利したアドマイヤリードがいる良血馬。新潟競馬場で行われた新馬戦はスタート、二の足が遅く後方からの競馬となったが、上り最速の末脚で直線だけで差し切り勝ち。次走の百日草特別は3着に敗れたものの勝ち馬は先日の皐月賞で4着に好走したアーバンシック。その馬相手に0.4秒差の3着なら上々の結果だろう。次走のフリージア賞も2着に敗れたが、ここでも青葉賞で上位候補のマーシャルポイントに0.0秒差なら悪くない内容。徐々に前目に付けれるようになったのは成長だろう。牝馬限定せんとなる今回なら牡馬相手に僅差の戦いをしてきた能力を示せるはず。ただ、大外を回して差すタイプのこの馬には例年内前有利となるこのレースは向かない可能性もあります。
※左回り芝成績【1・1・1・0】
エルフストラック 牝3 騎手:横山和生 斤量:55キロ
父はケンタッキーダービーなど主にダートでGⅠ7勝を挙げたカリフォルニアクローム、母がダートで3勝したスペルオンミーと配合はどちらかというとパワータイプ。時計勝負になると分が悪いが前走GⅢフラワーカップで1着馬と0.2秒差の5着と能力自体は他馬とも引けを取らない。ここまで6戦して様々なコース、距離で全て掲示板内と安定した走りと安定した先行力を見せており、相手関係は強化される今回でも戦えるはずです。ただ、時計負けする可能性も高いので、開幕週で高速馬場の東京競馬場への対応がカギとなります。
※左回り芝成績 未出走
クリスマスパレード 牝3 騎手:石川裕紀人 斤量:55キロ
ここまで新馬戦、1勝クラスの水仙賞と連勝しているが、どちらも牡馬相手にスムーズに番手に付け最後の直線で後続の追撃を凌ぐ正攻法での勝利。特に新馬戦は道中で外からマクってきた馬がいたため、それに連動して逃げ、先行馬のペースも早くなり、末脚の持続力勝負が問われる展開に。並みの先行馬ならバテて負けるケースが多い展開での勝利は高く評価できる内容。過去のフローラステークスは基本的にスローからミドルペースが多く、開幕週も相まって内前有利の傾向。脚質はかなり合う。あとは内枠が取れれば勝ち負けできるはずです。
※左回り芝成績 未出走
トロピカルティー 牝3 騎手:戸崎圭太 斤量:55キロ
新馬戦はスタートが微妙で、中団で控え4角で外を回す競馬になったが、1頭だけ凄まじい末脚で差し切った。このレースで3着に倒したヤマニンアドホックはその後、未勝利戦と1勝クラスの山藤賞を勝っておりメンバーレベルは決して低くはなかった。次走の1勝クラス若竹賞は不良馬場の厳しい条件の中、3着に好走。先着を許したルカランフィーストとアレグロブリランテはGⅡスプリングステークスでも2着と3着に好走して皐月賞にも出走している。このレースのメンバーレベルも高かった。一線級の牡馬相手に互角の戦いをしており、牝馬限定となる今回は勝ち負けしてもおかしくない。ただ、外を回して差すタイプのこの馬には例年内前有利となるこのレースは向かない可能性もあります。
※左回り芝成績【1・0・0・0】
バロネッサ 牝3 騎手:津村明秀 斤量:55キロ
半兄にGⅠ馬のドゥラエレーデがいる良血馬。ドゥラエレーデも2歳時から活躍しており、妹のこの馬にも早くからの活躍に期待がかかる。新馬戦は3着に敗退。スタートが微妙で、道中も折り合いに苦戦。追走にも手一杯でマイルは短かったか。次走の未勝利戦もスタートが悪く中団後方からの競馬。上り最速の末脚を使ったが届かなかった。しかし、次走の未勝利戦が強かった。これまでとは違いスタートを決めると、2番手から上り最速の末脚を使って快勝。タイムも優秀で同日に行われた同コースの共同通信杯の勝ちタイムより1.8秒早かった。タイムだけがものさしにはならないが時計勝負になれば、間違いなく上位争いできるはずです。ただ、前走でスタートを決めれたのが鞍上がルメール騎手だったからなのか、この馬の成長なのかはまだわからない。出負けして後方からの競馬になってしまったらこのレースでは届かない可能性が高い事は頭に入れておきたい。
※左回り芝成績【1・0・1・0】
本命馬
コガネノソラ
なぜ本命に推せるかはこれから特注データを使って説明していきますが、まず注目は血統。父ゴールドシップ×母父ロージズインメイの構成は2021年の当レースで3着に好走し、次走のオークスで優勝したユーバーレーベンと同じ。この馬は重賞初挑戦なので実績面では劣りますが、確かな先行力があり、開幕週で内前有利の展開が想定されるので、あまりにもハイペースで差し馬有利の展開にならない限りは、いきなりの重賞勝利を飾ってもおかしくはない。
過去10年の特注データ
買いデータ
前走が中山芝1800mで5着以内(未勝利戦を除く)
フローラステークスの過去10年の前走レースを見てみると中山芝1800m組が最も親和性が高く、過去10年で1頭も勝利してない未勝利組を除くと【4・2・3・11】で複勝率45%の好成績。過去10年の該当馬の成績は以下の表の通り。
年度 | 着順 | 馬名 | 人気 | 所属 | 前走 | 前走着順 | 前走人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2014年 | 4着 | マローブルー | 9番人気(21.0) | 関東 | フラワーカップ | 4着 | 10番人気 |
8着 | マイネグレヴィル | 3番人気(7.6) | 関東 | フラワーカップ | 2着 | 4番人気 | |
2015年 | 2着 | ディアマイダーリン | 1番人気(3.2) | 関東 | フラワーカップ | 3着 | 2番人気 |
2016年 | 5着 | ビッシュ | 1番人気(4.5) | 関東 | 1勝クラス | 1着 | 2番人気 |
8着 | ゲッカコウ | 7番人気(12.3) | 関東 | フラワーカップ | 2着 | 2番人気 | |
2017年 | 1着 | モズカッチャン | 12番人気(37.2) | 関西 | 1勝クラス | 1着 | 2番人気 |
2018年 | 3着 | ノームコア | 5番人気(7.4) | 関東 | フラワーカップ | 3着 | 4番人気 |
5着 | ファストライフ | 12番人気(86.6) | 関東 | フラワーカップ | 5着 | 9番人気 | |
6着 | ウスベニノキミ | 8番人気(23.9) | 関西 | フラワーカップ | 4着 | 8番人気 | |
2019年 | 1着 | ウィクトーリア | 3番人気(6.7) | 関東 | 1勝クラス | 1着 | 2番人気 |
2着 | シャドウディーヴァ | 2番人気(5.4) | 関東 | フラワーカップ | 4着 | 3番人気 | |
3着 | ジョディー | 9番人気(28.3) | 関東 | フラワーカップ | 5着 | 8番人気 | |
6着 | ペレ | 8番人気(20.4) | 関東 | 1勝クラス | 2着 | 3番人気 | |
11着 | フォークテイル | 5番人気(10.1) | 関東 | 若竹賞 | 2着 | 3番人気 | |
2020年 | 7着 | レッドルレーヴ | 3番人気(5.2) | 関東 | フラワーカップ | 2着 | 4番人気 |
17着 | リヴァージュ | 16番人気(163.6) | 関東 | 1勝クラス | 5着 | 3番人気 | |
2021年 | 1着 | クールキャット | 5番人気(11.8) | 関東 | フラワーカップ | 5着 | 7番人気 |
3着 | ユーバーレーベン | 2番人気(3.5) | 関東 | フラワーカップ | 3着 | 1番人気 | |
2022年 | 5着 | ルージュエヴァイユ | 3番人気(4.5) | 関東 | デイジー賞 | 1着 | 1番人気 |
2023年 | 1着 | ゴールデンハインド | 7番人気(16.6) | 関東 | フラワーカップ | 4着 | 7番人気 |
フラワーカップ組と1勝クラス組をそれぞれもう少しかみ砕いて見てみると1勝クラス組はわかりやすく1着だった馬は来れるが2着以下は全頭馬券外となっています。サンプル数が少ないので、あくまで判断基準に留まりますが意識はしておいた方がいいです。
前走着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 2-0-0-2/4 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 1098% | 250% |
2着以下 | 0-0-0-3/3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
フラワーカップ組は好走した馬も着外に敗れた馬も特別に共通点があるわけではではないので、基本的には馬券には入れる事がベスト。
今年の出走予定馬でこのデータに該当する馬は エルフストラック、コガネノソラ、トロピカルティー の3頭。関西馬のエルフストラック、前走1勝クラス3着のトロピカルティーは評価を下げて、当ブログでは コガネノソラ を本命とします。今週は東京開幕週で例年内前有利の展開となっているので、展開を活かすためにも内枠がほしい。
消しデータ
前走がOPクラス出走の関西馬
このデータに該当する馬は過去10年で【0・1・0・21】で、当時2番人気に推されていたサラキアや1番人気のルージュスティリアなどもいてこの成績。唯一好走したのは前走桜花賞で6着に好走し、逃げて2着に粘ったパーソナルハイ。それ以外は全馬が馬券外に沈んでおり、該当する馬はシンプルに評価を下げた方がいいです。
今年の出走予定馬で該当する馬は エルフストラック、サンセットビュー、ラヴァンダ の3頭。
人気馬ではありませんが、穴馬候補にしていた方もいるかもしれません。私は消します。
まとめ
ここまでの情報をまとめると本命は コガネノソラ 。対抗に、前走1勝クラスを先行して勝ってきている クリスマスパレード 。この馬に関してはスムーズな競馬をするためにも1~3枠が欲しい。外枠に入ったら評価を下げたい。次点には、前走フラワーカップで6着に敗れたものの骨折による休み明けで0.3秒差なら評価を下げる必要のない カニキュル 。前走のレース後に戸崎騎手が「もっと綺麗な馬場、広いコーヅが合う」と述べており、まさに今回は買い時。消しは、上記の通りエルフストラック、サンセットビュー、ラヴァンダ。
◎ コガネノソラ
〇 クリスマスパレード
▲ カニキュル
消 エルフストラック、サンセットビュー、ラヴァンダ
以上でフローラステークスの予想は終了となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考になったという方はまた読みに来てください。