2025年11月16日(日)に京都競馬場で行われるGⅠ・エリザベス女王杯。秋の女王決定戦として、これまで主に同世代と戦ってきた3歳馬と古馬の実績馬が激突します。近年の優勝馬には、翌年に国内外でGⅠ3連勝を飾ったリスグラシュー、大阪杯を勝利したラッキーライラック、宝塚記念を制したマリアライトといった、性別の枠を超えて活躍した名牝も名を連ねます。昨年は2022年の秋華賞馬スタニングローズが好位から抜け出して優勝。2着に12番人気のラヴェルが入って大波乱になりました。そんな3歳馬と古馬が争う女王決定戦を阪神競馬場で行われた3年間を除いた過去7年の結果を参考に好走馬の共通点を探っていきます。
先週の結果
先週のアルゼンチン共和国杯は、ノーマークだった9番人気のミステリーウェイが大逃げを決めて重賞初制覇。人馬ともに嬉しい重賞初勝利となり、波乱ムードに包まれた一戦となりました。本命スティンガーグラスは、道中しっかり脚を溜めて直線はよく伸びましたが、1/2馬身届かずの2着。データ面からも軸として推奨した通り、内容的にも力を示す好走だったと評価できます。対抗ホーエリートは、道中の手応えは良かったものの、直線ではやや脚色が鈍り6着で掲示板外。決して大きく崩れたわけではなく、次走以降での巻き返しに期待です。単穴ローシャムパークは、懸念された59.5kgの斤量と、年齢(6歳以上)というデータ的な不利が色濃く出た結果となりました。直線入り口でも見せ場を作れず、12着に大敗。能力の高さは確かでも、今回は条件面が厳しかった印象です。今回は、データ通りの本命でも展開や条件次第で結果は大きく変わることを痛感しました。ですが、穴馬の逃げが決まったからといって、自分の予想スタイルを変えてしまえば、それはもう泥沼の始まりだと思います。データと再現性に基づいたスタイルを貫くことで、結局は予想精度も馬券成績も安定していくと信じています。
本命馬
⑦ レガレイラ
母は「天才少女」と称されたロカで、ディープインパクトの姪にあたる良血馬として注目を集めるこの馬は、函館芝1800mの新馬戦を余裕を残して快勝し、続くアイビーステークスでは展開不利の中で3着に敗れたものの、ホープフルステークスでは後方から上がり最速の末脚で差し切りGⅠ制覇を果たしました。3歳シーズンは皐月賞6着、日本ダービー5着、ローズステークス5着と勝ち星に恵まれず、いずれも上がり最速の脚を使いながら届かない惜しい競馬が続き、エリザベス女王杯では直線で進路を確保できず5着に敗れましたが、年末の有馬記念では一転して前目で運ぶ積極的な競馬が奏功し、見事に古馬相手のGⅠを制しました。その後骨折が判明し長期休養を余儀なくされ、復帰戦となった宝塚記念では展開や枠順に恵まれず11着と大敗しましたが、秋初戦のオールカマーでは牝馬ながら57kgを背負いながらも、上がり最速の末脚で快勝し、2着の半兄ドゥラドーレスに0.2秒差をつけて改めて実力を証明しました。有馬記念で連対した馬が翌年のエリザベス女王杯に出走した前例はないものの、実績面では今回の出走メンバーの中で明らかに抜けた存在であり、かつては後方一辺倒の脚質だったものの、現在は操縦性も増しており、自在に立ち回れる点も大きな強みとなっており、信頼性の高い軸馬候補として注目されます。ここからはレガレイラを本命に推せる理由、他に狙える馬を有力なデータと共に紹介していきます。
特注データ
買いデータ
① ノーザンF生産の4歳馬
■ノーザンF生産 × 4歳馬 × 前走好走 → エリザベス女王杯での好成績の鍵に
京都競馬場で開催された過去7年のエリザベス女王杯において、
「ノーザンファーム生産の4歳馬」は【3・1・1・11】と、勝率18.8%/連対率25.0%の好成績を残しています。
さらに「前走で5番人気以内&6着以内」だった馬に限定すると、成績は【3・1・1・3】。
該当馬8頭中5頭が馬券圏内という、非常に信頼度の高いロジックが浮かび上がります。
▶考えられる要因
① ノーザンF生産馬の仕上げとローテーション精度
ノーザンファーム生産馬は、夏以降に向けて計画的に仕上げられてくるケースが多く、
特にエリザベス女王杯のような中距離GⅠでは外厩→厩舎入り→本番の流れが非常に安定しています。
状態面の信頼度が高く、4歳秋の成長曲線も含めて「ここでの完成度」が光る世代です。
② 4歳馬の上昇力と牝馬限定GⅠとの相性
牝馬は一般的に「4歳秋がピーク」と言われることが多く、
とくにクラシックを経験してきた4歳馬が、年上の馬との力関係の逆転を起こす時期にあたります。
このタイミングでGⅠに臨むことで、年長馬の壁を突破しやすい環境が整っているといえます。
③ 前走好走での“勢い”も重要
ただし、4歳馬なら誰でも来るわけではなく、
前走である程度の評価(人気)と結果(着順)を残していることが好走条件です。
これにより「調子が良い4歳馬」がしっかり結果を出していることがわかります。
■今年の該当馬
今年この好走データにピタリと合致するのが レガレイラ です。ノーザンファーム生産の4歳馬で、前走も牡馬混合GⅡで1番人気1着と、近走の安定感・勢いともに申し分なし。クラシックを戦ってきた実績もあり、京都芝2200mの舞台でも力を発揮できる下地は整っています。近年の王道路線×成長力の組み合わせとして、高い評価を与えて良い1頭といえるでしょう。
② 前走が芝2200m以下のGⅡで3着以内
■「芝2200m以下のGⅡで好走」組は、京都開催のエリザベス女王杯で信頼度高し
阪神開催の3年を除く過去7回の京都開催において、
「前走が芝2200m以下のGⅡかつ3着以内」という条件を満たした馬は【4-3-1-10】と、連対率38.9%という好成績を残しています。
さらに「前走で4番人気以内」「今回のエリザベス女王杯で5番人気以内」という、人気面での評価も高い馬に限定すると、成績は【4-2-1-2】とさらに優秀になります。
9頭中7頭が馬券に絡んでおり、勝率44.4%、連対率66.7%という鉄板級データとなっています。
▶考えられる要因
① 近走の充実度と完成度の裏付け
GⅡで上位に来るためには、ある程度の実力と調子の良さが必要です。
そのなかで「2200m以下」という距離に限定することで、
スピードと持続力のバランスを持つ馬=京都2200mの適性に合ったタイプが浮かび上がってきます。
② 京都芝2200mへのリンク性の高さ
京都芝2200mは、最初のコーナーまでの距離が長く、先行馬でも差し馬でも自分の競馬をしやすい舞台。
前走2000m~2200mである程度のペースで好走した馬は、レースの流れに乗る能力や折り合いの巧さを既に示しているため、同様の条件が求められるエリザベス女王杯でもパフォーマンスを再現しやすくなっています。
③ 実績+人気=能力評価と仕上がりの証
「前走4番人気以内」や「今回5番人気以内」といった人気面の条件を加えることで、
単なるフロックではなく、周囲からも評価されている=馬の仕上がりと実力が整っている状態と判断できます。
■今年の該当馬
この強力なデータに、今年は ココナッツブラウン、レガレイラ の2頭が該当しています。ココナッツブラウンは現在、2戦連続で重賞2着に好走中。GⅠは初挑戦ですが、自在性と完成度の高さが魅力。レガレイラは前走オールカマーで内容ある競馬を披露。クラシック実績もあり、4歳世代の代表格。どちらも前走実績・人気・調子の3拍子が揃っており、非常に信頼度の高い馬といえます。
③ 馬番1~3番の3~4歳馬
■内枠×若さ=高パフォーマンス! 馬番1〜3番の3〜4歳馬が好走傾向
京都競馬場で開催された過去7回のエリザベス女王杯において、
「馬番1~3番に入った3歳または4歳馬」の成績は【3-1-3-2】と抜群の好成績を残しています。
複勝率は77.8%と非常に高く、狙う価値のあるデータとなっています。
▶考えられる要因
① 京都2200mのスタート形態と内枠の利
京都芝2200mは、スタートから最初のコーナーまでの距離が長く、序盤でポジションを取りやすいコース設計になっています。そのうえで内枠(特に1~3番)は、最短距離でコーナーを回れるため、距離ロスの少ない立ち回りができるのが大きな利点です。さらに、例年のこの期間は内ラチ沿いの馬場が比較的良好な状態であることもあり、「内を上手く立ち回れる馬」が好走しやすい環境が整っていると言えます。
② 3〜4歳馬の伸びしろとスピード適性
エリザベス女王杯は古馬牝馬との力関係が問われるレースですが、3~4歳馬は成長途上でありながら、スピードと反応の良さに優れており、特に内枠からロスなく先行できると、その軽さと瞬発力を活かして上位進出が可能です。また、斤量面でも有利な3歳馬や、4歳秋にピークを迎える世代にとっては、このレースが完成度と勢いが合致するタイミングになることが多い点も見逃せません。
■今年の該当馬
今年このデータに該当するのは ステレンボッシュ、パラディレーヌ の2頭です。ステレンボッシュは、近走の凡走が目立ちますが、昨年のクラシック戦線で好勝負を演じてきた実績馬。パラディレーヌは、前走秋華賞で3着に好走。2400mのオークスでも4着に好走しており、内枠の利を活かせば一気に古馬を蹴散らす可能性も。2頭とも枠順に恵まれ、過去のデータとマッチする好条件が揃っています。人気馬・伏兵問わず、この条件をクリアしているだけで高評価に値する存在といえるでしょう。
消しデータ
① 7~8枠
■京都開催のエリザベス女王杯では7〜8枠が極めて不振
京都競馬場で開催された過去7年において、7〜8枠の成績は【0-2-0-34】と大不振。
複勝率はわずか5.6%(2/36頭)にとどまり、外枠の壁はかなり厚いと言えます。
▶考えられる要因
① 京都芝2200m外回りの特性
スタートから最初のコーナーまでが長く、先行争いは激化しにくいものの、4つのコーナーを回るコース形態のため、外枠は常に距離ロスが発生しやすいのが実情です。また、この時期の京都は内ラチ沿いの馬場コンディションが良好であるケースが多く、インをロスなく立ち回る馬が残りやすい傾向にあります。
② 下り坂や瞬発力勝負に対応しづらい位置取り
大外枠に入ると、終始外を回らされる展開や、折り合いに苦労するリスクも高まります。特に京都の芝2200mでは脚を溜めて一気に加速するタイプが強いため、コーナー外々を回って脚をロスする外枠の馬は分が悪くなる傾向です。
■今年の該当馬
2025年の出走馬のうち、7〜8枠に入ったのは オーロラエックス、ケリフレッドアスク、ココナッツブラウン、リンクスティップ の4頭。過去7年で7〜8枠から馬券に絡んだ2頭には「4歳馬」「前走がオープンクラスで5番人気以内かつ6着以内」という共通点がありました。今年のメンバーの中で外枠不利の例外条件に唯一該当するのがオーロラエックスです。4歳馬であり、前走のOP戦ではしっかりと人気に支持され、かつ上位に入線。外枠の分は割引が必要ですが、不利を覆せる可能性を秘めた1頭です。
まとめ
🏆 2025年 エリザベス女王杯 最終予想
今年のエリザベス女王杯の本命はノーザンファーム生産の4歳馬 レガレイラ 。好材料のデータ2つに該当し、内よりの枠を引けた点も含め、データ的にもっとも死角の少ない存在として本命視します。対抗は ハラディレーヌ 。過去7年で【3-1-3-2】という好成績を挙げている「馬番1~3番の3~4歳馬」に該当。内でロスなく運べる脚質と、成長著しい4歳牝馬というタイミングも好材料です。実績・仕上がりともに本番での一発が期待できます。単穴は オーロラエックス 。外枠が不利なレースではありますが、過去に7~8枠から好走した2頭には共通点があり、その例外条件に唯一該当するのがこの馬。条件好転の要素がそろえば、大外からの一撃もあり得ます。その他、穴馬ではセキトバイーストとボンドガールにも一考の余地があります。
<買い目>
単勝 ⑦ 8,000円
① 2,500円
枠連 4⃣ ー 1⃣5⃣8⃣ 各1,500円
計15,000円
以上になります。
エリザベス女王杯の予想の参考にしてみてください!



