2025年6月8日(日)に東京競馬場で行われる安田記念。昨年は、香港とオーストラリアのGⅠを合わせて7勝していた香港調教馬・ロマンチックウォリアーが制しました。同馬は今年に入ってもドバイのジェベルハッタを勝利し、さらにGⅠタイトルを積み重ねています。安田記念は国内のトップマイラーだけでなく、海外の強豪も参戦してくる注目の一戦です。そんなGⅠ実績馬が揃う春のマイル王決定戦を過去10年の結果から、好走馬の共通点を探っていきます。
本命馬
14 ウォーターリヒト
初勝利はキャリア4戦目とやや遅めでしたが、そのレースでは前につける積極的な競馬で快勝しました。その後は末脚を活かす競馬にスタイルを変え、シンザン記念では最後方から上がり最速の脚を使って3着に好走。きさらぎ賞でも荒れた馬場を苦にせず、内を突いて伸びての2着と、展開や馬場に対応する柔軟性を見せました。春はスプリングS、皐月賞、NHKマイルCと続けて不振に終わりましたが、2歳10月のデビュー以来9戦を消化しており、使い詰めによる疲労も影響した可能性があります。夏を全休し、立て直された秋のキングカメハメハメモリアルでは上がり最速で快勝。続くキャピタルSでも中団から差し切ってトロヴァトーレなど重賞級の馬たちを破り、力を示しました。古馬初対戦となった京都金杯で2着、東京新聞杯では大外を回して勝利。どちらも内有利の傾向を覆す内容で、末脚の破壊力が際立っていました。血統的には差し・追い込みに適した瞬発力型で、東京のような長い直線でこそ持ち味が活きるタイプです。同年の東京新聞杯を初角7番手以下から勝った馬は過去10年で安田記念において【1・1・0・2】と健闘しており、本馬の末脚が再び炸裂する可能性も十分にあります。ここからはウォーターリヒトを本命に推せる理由、他に狙える馬を有力なデータと共に紹介していきます。
特注データ
※グラティアスは除外対象の為、予想から割愛します。
買いデータ
① 今回馬番10~14番で前走4角6番手以下
過去10年でこのデータに該当した馬の成績が【5・1・4・20】と好調です。さらに「前走3番人気以内」「今回9番人気以内」で限定すると【5・1・4・5】で非常に高い好走率を誇っています。これは、外めの枠から末脚を活かしやすい東京マイルの舞台で、能力の裏付けがある実力馬がしっかりと力を発揮しやすいことを示しています。過去の成績や支持率に加え、展開に左右されにくい差し脚質の強みが、好走に結びついていると考えられます。このデータに該当した馬は該当馬が1頭も出走しなかった2019年を除いて全ての年で必ず1頭は馬券圏内に好走しています。
今年の出走馬で該当する馬は ウォーターリヒト のみとなっています。
今回転厩初戦という懸念材料はありますが、確実に強烈な末脚を使えるタイプなので舞台・例年の展開はこの馬に向く可能性が高いです。
② 前走が海外含むGⅠ出走の関東馬
過去10年でこのデータに該当した馬の成績が【4・6・3・17】と非常に優秀な数字を残しています。さらに「前走4番人気以内」「当日9番人気以内」「5歳以下」「前走4角4番手以下」という4つの条件を加えると、成績は【4・4・3・1】と黄金データです。このデータから見えてくるのは、実力・若さ・展開への対応力を兼ね備えた関東馬が、安田記念では非常に有力であるということです。つまり、実績や評価が高く、まだ伸びしろがあり、展開にも乗りやすい差し脚質という3拍子そろった関東馬は、安田記念で非常に信頼できる存在だと言えます。こうした条件に合致する馬が出走してきた際は、積極的に狙っていく価値があります。
今年の出走馬で該当する馬は ブレイディヴェーグ のみとなっています。
ブレイディヴェーグは古馬になってマイルで使われるようになってから一度も馬券圏内にも来ていませんが、鞍上の乗り替りで一変の可能性もあると思います。近走の敗戦で人気を落とすようなら狙ってみてもいいと思います。
③ 単勝20倍未満の4歳馬
過去10年、単勝20倍未満の4歳馬の成績は【5・3・2・16】と、非常に優秀な好走率を誇っています。この好成績の要因としてまず挙げられるのが、4歳という年齢の充実度です。4歳馬は、3歳時にクラシックやマイル路線で経験を積み、心身ともに成長がピークに近づいている時期です。特に安田記念のような高速決着になりやすい東京マイルでは、若さと瞬発力のバランスが重要となり、4歳馬の特性と非常にマッチします。
さらに条件を絞って「前走2番人気以内」「当日9番人気以内」「前走4角4番手以下」という3点を加えると【4・2・1・5】となり、馬券圏内率は実に58.3%まで上昇します。このデータが示しているのは、勢い・実力・展開対応力のすべてを備えた4歳馬が安田記念で最も信頼できる存在になりやすいということです。
安田記念では、人気と実力を備えた4歳馬を軸にするのが、馬券攻略のカギとなりそうです。
今年の出走馬で該当する馬は ジャンタルマンタル、トロヴァトーレ の2頭です。
消しデータ
① 前走が4角3番手以内
過去10年、前走で4コーナーを3番手以内で通過した馬の成績は【2・3・2・32】と、好走率があまり高くありません。さらに注目すべきは、好走した7頭のうち6回がわずか3頭の実績馬に集中しているという点です。具体的には、ロゴタイプが1着1回2着1回、アエロリットが2着2回、インディチャンプが1着1回3着1回と、いずれも実績・実力ともにトップクラスのマイラーであり、例外的な存在とも言えます。これらの馬は先行力だけでなく、東京の長い直線でもバテずに粘り込める持続力や、勝負どころでしっかり脚を使えるレースセンスを兼ね備えていました。また、安田記念自体がリピーターが多発する適性が問われるレースです。多くの先行馬が直線で失速する中、これらの例外的な馬たちが好走していることからも、安田記念では単に前に行ける馬よりも、「能力と適性を兼ね備えた馬かどうか」をしっかり見極めることが大切です。3頭以外で馬券圏内に好走したのは2018年3着のスワーヴリチャードのみとなっています。
今年の出走馬で前走で4コーナーを3番手以内で通過した馬は シックスペンス のみです。
シックスペンスは想定1番人気となっていますが、重賞3勝のうち3戦全てが芝1800mと純然たる1800m巧者の可能性があるのは有名な話です。このまま当日も1番人気になるようならあえて危険な人気馬として嫌ってみる作戦は十分に有りだと思います。
② 前走が大阪杯
大阪杯がGⅠに昇格した2017年以降の過去8年で【0・0・1・14】で馬券圏内に好走したのは2018年3着のスワーヴリチャードのみとなっています。1600mと2000mということで毎年数頭両方出走する馬がいますが、東京芝1600mと大阪芝2000mでは求められる適性が全く違うので前走大阪杯組の凡走が続いていると考えられます。しかも該当馬15頭中半数以上の8頭が5番人気以内と寂しい結果となっています。
今年の出走馬で前走が大阪杯だった馬は エコロヴァルツ、シックスペンス の2頭です。
エコロヴァルツは中山巧者感がするのでここでは買うべきではないと考えられます。シックスペンスは消しデータ①に続き2個目の消しデータ該当です。
③ 馬番1~3番
過去10年、馬番1〜3番の馬の成績は【0・1・1・28】と、馬券圏内に好走したのは前年の安田記念でも2着に好走していたアエロリットと、2018年3着のスワーヴリチャードのみと好走率が非常に低くなっています。スワーブリチャードは消しデータ3つ全てに該当しながら3着に好走しているので、単純に別格だったと感じざるを得ません。
この不振の主な要因は、東京芝1600mの内枠が安田記念という舞台においては不利に働きやすいことにあります。東京マイルはスタート直後に緩やかなカーブがあり、内枠に入った馬はポジションを取る際に他馬と接触したり、包まれたりしやすい構造になっています。その結果、スムーズな加速や進路確保が難しくなり、本来の末脚を発揮できずに敗れるケースが多くなるのです。さらに安田記念は直線勝負になりやすいレース。そうなると外から勢いよく伸びてくる馬に比べ、内で動きが制限される馬は進路を探しながらの苦しい競馬を強いられ、どうしても不利になりがちです。このように、内枠=有利というイメージとは裏腹に、安田記念においては馬番1〜3番の馬は展開面・構造面で不利な立場に置かれやすく、過去のデータでもその不振がはっきりと表れています。
今年の出走馬で該当する馬は シックスペンス、ダディーズビビット、マッドクール の3頭となっています。
④ 前走国内のレースで5番人気以下
安田記念は、前走で大敗していた馬が巻き返して勝利するケースもあるレースですが、そのような馬にも共通する“信頼できる材料”があります。それが前走での人気です。データを見ると、前走で5番人気以下だった馬の成績は【0・1・1・62】と非常に厳しく、人気薄からの巻き返しはほとんど期待できません。一方で、前走が4番人気以内だった馬に限ると【9・6・8・54】と圧倒的に好成績を残しています。つまり、安田記念で好走する馬というのは、前走でファンや陣営から高く評価されていた実力馬が多いということです。たとえ前走で敗れていたとしても、人気を集めていた馬であれば、能力自体は評価されており、巻き返すだけの地力を持っていると考えられます。逆に、前走でも人気がなかったような馬は、能力的にGⅠで勝ち負けするには一枚足りないケースが多く、苦戦を強いられる傾向にあります。安田記念では、「2戦連続で人気を裏切るような馬ではないこと」──これが、勝ち馬の最低条件とも言えるのです。
今年の出走馬で前走5番人気以下だった馬は エコロヴァルツ、オニャンコポン、シャンパンカラー、
ダディーズビビット、ホウオウリアリティ、ロングラン の6頭です。この6頭の巻き返しもしくは、連続好走は難しいでしょう。
⑤ 8歳以上
過去10年で、8歳以上の馬の成績は【0・0・0・8】となっており、極端な高齢馬は好走できない傾向にあります。
今年の出走馬で該当する馬は サクラトゥジュール です。
まとめ
本命は買いデータ①に該当し、現在4戦連続で上がり最速を記録し、いかにも東京マイル向きの ウォーターリヒト 。対抗は買いデータ②に該当し、現在7年連続で連対中の5番人気以内の牝馬 ブレイディヴェーグ 。穴馬で注意したいのは昨年GⅡ富士ステークス勝利、前走GⅡマイラーズカップ2着とGⅠ馬を除けばマイル実績はメンバー上位の ジュンブロッサム を推奨します。
◎ ウォーターリヒト
〇 ブレイディヴェーグ
注 ジュンブロッサム
× エコロヴァルツ、オニャンコポン、サクラトゥジュール、シックスペンス、シャンパンカラー、
ダディーズビビット、ホウオウリアリティ、マッドクール、ロングラン
推奨馬券
単勝 18
枠連 8 ー 4,5,7,8
3連複フォーメーション
① 14
② 17,18
③ 5,7,10,13,16
以上になります。
安田記念の予想の参考にしてみてください!
